日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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シロイヌナズナの葉の軸形成に関わるAS1とAS2が制御する因子の解析
岩崎 まゆみ高橋 広夫岩川 秀和深澤 弘小島 晶子町田 泰則*町田 千代子
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p. 0626

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抄録
シロイヌナズナの葉は、基部先端部軸、向背軸、中央側方軸の3つの軸に沿って成長し、扁平で左右相称な形となる。ASYMMETRIC LEAVES1 (AS1)とAS2はそれらの変異体が多面的な表現型を示すことから、3つの軸形成すべてに関わっている可能性が示唆された。AS2は植物に固有の新奇なタンパク質をコードしており、AS1遺伝子と共に、class 1 KNOX 遺伝子群の発現を抑制する機能をもつことは既に示されていたが、葉の分化過程で、class 1 KNOX以外の遺伝子の発現制御にも関与している可能性が考えられた。我々は、DNAマイクロアレイデータについて知識ベースシステムクラスタリング法であるKB-FazzyART法を用いて解析をすることにより、AS1とAS2によって負に制御される遺伝子として、class 1 KNOXに加えて、背軸化因子であるETT/ARF3, KAN2, YABBY5を同定した。さらにChIPアッセイとChIP on chip解析から、ETTINがAS1の直接のターゲットであることが示唆された。一方、遺伝学的解析から、AS1とAS2は、ETTIN と冗長的機能を持つARF4を間接的に制御していることがわかった。葉の発生分化における、AS1とAS2によるETTINとARF4の二重の発現制御の意味について議論する。
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© 2011 日本植物生理学会
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