日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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細胞分裂周期から核内倍加周期への移行に影響を与える新規因子EALは葉の向軸側の性質獲得に必要である
*石橋 奈々子上野 宜久金丸 京子小島 晶子小林 哲夫町田 千代子町田 泰則
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p. 0627

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抄録
asymmetric leaves2 (as2) およびas1変異体では、葉身に左右非対称に切れ込みが形成され、葉、特に葉柄が基部先端部軸方向に短くなる。またas2変異体やas1変異体は、いくつかの変異体背景で葉の向背軸性の確立に異常を示す。我々はAS1、AS2と葉の向背軸性の確立に遺伝学的相互作用する新規因子の同定を目指し、as1as2変異体背景で葉の向背軸性異常を示す変異体の探索を行った。向背軸性の異常を示す指標として棒状の葉の形成を用いた。現在、スクリーニングで得られた1系統について解析を進めている。この変異をenhancer of asymmetric leaves1 and asymmetric leaves2 (eal) と名付けた。as2 ealおよびas1 eal二重変異体では背軸側化した棒状の葉の形成が観察された。また、eal変異は細胞分裂周期と核内倍加周期との切りかえに影響することが分かった。EAL遺伝子は、菌類からヒトまで広く保存されたタンパク質をコードしていた。この遺伝子は菌類のAspergillus nidulansにおいて核の動きに関係していることが報告されている。今回シロイヌナズナのEALA. nidulansの変異体に導入したところ異常を相補することが分かった。この結果は、EALはホモログ間で機能的にも保存されていることを示している。
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© 2011 日本植物生理学会
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