日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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塩ストレス条件下でのメリステム活性の維持に必要なRSS1はProtein phosphatase 1と相互作用する
*小川 大輔阿部 清美宮尾 安藝雄小嶋 美紀子榊原 均水谷 恵森田 悠戸田 陽介保浦 徳昇佐藤 豊服部 束穂廣近 洋彦武田 真
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p. 0638

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抄録
植物の胚発生後の成長はメリステムの細胞の継続的な分裂によって支えられている。組織形成には、細胞分裂と分化の協調や隣接する細胞間での連動が必要である。しかしながら、メリステムでの細胞分裂活性や、分裂と分化のバランスが環境ストレス条件下でどのように制御されているかについてはよく理解されていない。これまでに我々は、イネのRSS1が塩ストレス条件においてメリステム細胞の活性や植物体の生存に必要であることを示してきた。rss1変異体の解析より、これらの効果はRSS1によるG1-S期移行の維持や、シュートでのサイトカイニンレベルの保持に起因することが示唆された。最近我々は、RSS1の安定性が細胞分裂周期で制御されることや、RSS1がProtein Phosphatase 1 (PP1)と相互作用することを明らかにした。PP1はG1-S期移行を制御するRetinoblastomaタンパク質を活性化することが知られる。本発表では、RSS1がストレス条件下で細胞分裂活性を維持するメカニズムについて議論したい。
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© 2011 日本植物生理学会
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