日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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オオムギの遺伝子共発現ネットワーク解析
持田 恵一*上原 由紀子吉田 拓広櫻井 哲也篠崎 一雄
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p. 0651

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抄録
網羅的な遺伝子発現データの収集が進み、様々な細胞プロセスに関わる遺伝子発現制御ネットワークの解析が可能になっている。特に、相当規模に収集されたマイクロアレイ等のデータセットを用いた遺伝子共発現解析は、遺伝子発現パターンから、相互に関連する遺伝子群を体系的に見つけ出すことを可能とし、遺伝子探索に有効な手法となった。私たちは、公共データベースに登録された、非冗長なオオムギの1347 GeneChipデータ、45実験シリーズについて、遺伝子共発現解析を行った。GeneChipに搭載された遺伝子間で、遺伝子発現パターンに基づいて重み付け相関係数を計算し、相関係数に基づいた遺伝子共発現ネットワークを描出した。さらに、MCODEアルゴリズムを用いて、サブネットワークモジュールへの分類を行った。それぞれのサブネットワークについて、オオムギ遺伝子とシロイヌナズナ、イネ、そしてブラキポディウムとの比較解析に基づいた遺伝子機能アノテーションとの関連づけを行った。比較解析により、オオムギ転写因子遺伝子の予測とGene Ontologyのアノテーションづけを行い、その分布から、それぞれのサブネットワークの機能の推定を行った。これらの結果から、モデル植物ゲノム情報との比較解析と組み合わせたオオムギの遺伝子共発現ネットワーク解析が、遺伝子探索に非常に有効であると考えられた。
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© 2011 日本植物生理学会
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