抄録
植物中の炭素動態を理解することは、植物の生長を理解するためには-重要である。本発表では、炭素11標識二酸化炭素とポジトロンイメージング技術を用いたダイズ中の炭素動態のイメージング手法の開発について発表する。この方法によって、光合成によって葉で固定された炭素が各シンク器官へと転流する様子を定量的に可視化することができる。さらに、今回は、体内の標識した炭素の総量が保存され、シンク・ソース間における定量的な解析を可能にするための改良を加えた。改良を加えた本手法を用いてフィージビリティスタディを実施した。ダイズ個体内の炭素動態画像の経時変化を元に、各器官における炭素濃度時間変化データが得られた。投与した炭素総量保存下における各データから、本手法の有用性を議論する。