日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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Chlamydomonas reinhardtii の granule-bound starch synthase 欠損がピレノイドデンプンの形態及び構造に及ぼす影響
*櫻井 俊宏出雲 旦子藤原 祥子G.Ball Steven小野 光藤田 直子中村 保典都筑 幹夫
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p. 0694

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抄録
クラミドモナスでは、低CO2条件下でピレノイドが発達し無機炭素濃縮機構(CCM)が誘導されるが、このときピレノイドデンプンも発達しgranule-bound starch synthase (GBSS)量が増加する。本研究では、GBSS I欠損株(sta2)を用いてピレノイドデンプンの発達を調べ、野生株との比較からGBSS Iの機能を推定した。野生株を連続光照射下、5% CO2を含む空気(H-CO2)で対数増殖期まで培養した後、0.04% CO2を含む通常の空気(L-CO2)に移したところ、6時間後にはピレノイドデンプンが増加するにも関わらず、culture当たりのデンプン含量はほとんど変わらないことがわかった。また、形態の変化を野生株とGBSS I欠損株で比較したところ、欠損株でもピレノイドやピレノイドデンプンはできるが、ピレノイドデンプンの厚みが薄くなることが判明した。さらに、GBSS活性は、ピレノイドデンプンの示す結晶性の高いA型結晶構造の形成に必要であることが示された。以上のことから、GBSSはピレノイドデンプンの形態と構造に影響を及ぼすことが明らかとなった。(Izumo et al., Plant Science, in press)
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© 2011 日本植物生理学会
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