日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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タバコ種間雑種(Nicotiana gossei x N. tabacum)の雑種致死関連遺伝子の検索
*土井 みず保奥村 華子山本 拓海三井 涼子田中 良和三野 眞布
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p. 0729

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抄録
雑種致死は種間の遺伝子交換を確実に阻止する生殖隔離機構である。その原因遺伝子の特定は生物進化の原動力を知る上で重要であるだけでなく、遠縁間雑種を利用する植物改良技術の発展にも資すると期待される。これまで雑種致死を起こすタバコ種間F1雑種(N. gossei x N. tabacum)より得た致死型(GTH4)および致死抑止型(GTH4S)の2種の培養細胞を用い、Suppression Subtractive Hybridization(SSH)法により、GTH4の発現遺伝子が優占的であるcDNAライブラリーを構築して、そのスクリーニングを継続してきた。今回、新たに2,016クローンをスクリーニングし、GTH4SよりもGTH4での発現が強い15クローンを特定した。BLAST検索により機能推定できた12クローンを半定量的RT-PCRによりGTH4とGTH4Sの間で調査した。その結果、Pre-pro-proteinase inhibitor I (Acc.#, Z12619)、Glycine-rich protein precursor(Acc.#, GU177460)、Inhibitor of microbial serine proteinase(Acc.#, X67075)が、GTH4で強く発現することを確認した。これらの遺伝子が雑種致死に直接関係するかの解析を進めている。
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© 2011 日本植物生理学会
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