日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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CRES-T法を用いた種子貯蔵油脂増産技術の開発
*米倉 円佳田中 倫子村本 伸彦松井 恭子光田 展隆小山 知嗣高木 優光川 典宏近藤 聡大音 徳
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p. 0744

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抄録
持続可能な循環型社会の実現方法の一つとして、植物バイオマスの利用が注目されている。中でも種子貯蔵油脂は、バイオディーゼル燃料やバイオプラスティックスの資源として利用されているが、種子中の油脂貯蔵メカニズムには不明な点が多く、油脂生産量の向上に結びつく分子育種の例は少ない。我々は主要油糧作物ナタネの近縁植物であるシロイヌナズナに、CRES-T (Chimeric Repressor Silencing Technology) 法に基づくキメラリプレッサー転写因子融合遺伝子を導入し、1H-pulse NMRを用いて種子油増産に寄与する新規遺伝子を探索した。その結果、AP2/ERFファミリーに属する機能未知の遺伝子を用いて作製したAt5g07580-SRDXを導入した第一世代系統で、種子中の油脂含量が平均6%、最大で11%増加した。さらに次世代の植物を育成すると、種子収量に加え植物体バイオマスが増加し、個体あたりの油脂生産量は平均32%、最大で70%増加した。At5g07580-SRDXのバイオマス増産メカニズムを明らかにするため、転写発現解析やプロモーターの発現組織特異性解析を行った。またイネを用いてAt5g07580-SRDXの油脂増産効果も検証したので、合わせて報告する。
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© 2011 日本植物生理学会
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