日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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カロテノイドによる黄花アサガオ作出に関する研究
*恩田 和幸山溝 千尋大宮 あけみ小野 道之
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p. 0765

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抄録
アサガオ(Ipomoea nil)の花弁は多様な色彩を呈する。文献によれば黄色も江戸時代に存在していたとされるが、現在では明瞭な黄色の系統はない。カロテノイドは、多くの植物において黄色花色の発現を担っている。アサガオと同じIpomoea属植物でカロテノイドにより黄色花色を示すキバナイポメア(Ipomoea sp.)と、白花系統のアサガオの花弁を比較すると、isopentenyl pyrophosphate isomerase (IPI) 以降のカロテノイド合成酵素遺伝子群の発現が白花系統では非常に低い(Yamamizo et al. , 2009)。そこで、カロテノイド合成酵素遺伝子群を導入することによる黄花アサガオの作出を試みた。まず、プロモーターの検討を行い、キク由来のflavanone 3-hydroxylase (F3H)のプロモーターがアサガオにおいて花弁特異的に働くことを確認した。次に、IPIの下流に位置するgeranylgeranyl pyrophosphate synthase (GGPS)phytoene synthase (PSY)F3Hプロモーター制御下でアサガオに導入した。これらは視覚的には変化が認められなかったが、HPLCによって解析したところ、花弁におけるβ-caroteneの量が非形質転換体と比較して多い系統が得られた。
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© 2011 日本植物生理学会
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