日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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ニンニクからのフラビン含有モノオキシゲナーゼ様遺伝子の単離と解析
*水野 新也吉本 尚子斉藤 和季
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p. 0766

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抄録
ニンニクが有する抗菌活性や発癌抑制作用は、含硫二次代謝物アリインの開裂産物から生成される様々な有機硫黄化合物に由来する。アリイン生合成の最終反応は、システイン誘導体であるS-アリルシステイン(SAC)のS-酸化である。最近、シロイヌナズナにおけるグルコシノレートのS-酸化反応が、フラビン含有モノオキシゲナーゼ(FMO)によって行われることが報告された。我々は、SACのS-酸化反応がFMOによって触媒されると仮定し、ニンニクからのFMO遺伝子の単離を行った。ニンニク鱗片から得たタンパク質粗抽出液にSACを添加したところ、顕著なSAC分解活性が確認された。そこで、ニンニク鱗片からRNAを抽出し、タマネギのFMO様遺伝子のESTクローンの配列をもとに設計したプライマーを用いてRT-PCRとRACEを行い、FMOをコードすると考えられる遺伝子AsFMO1の全長配列を得た。AsFMO1は、FMO活性に不可欠なFAD結合モチーフおよびNADP結合モチーフを含む457 aaのタンパク質をコードすると考えられた。AsFMO1のアミノ酸配列をグルコシノレート合成に関わるシロイヌナズナのFMO群のアミノ酸配列と比較したところ、51-55%の相同性があった。現在、大腸菌発現系を用いて、AsFMO1タンパク質のSAC酸化活性の評価を行っている。
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© 2011 日本植物生理学会
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