日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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シロイヌナズナ果実の生育段階におけるグルコシノレート含量と組成の変化
*野田 章彦石橋 弘規田野井 慶太朗中西 友子
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p. 0767

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抄録
グルコシノレート(GSL)は、アブラナ科植物が二次代謝物として合成する含硫配糖体の総称である。GSL及びそれに由来する揮発性化合物は、微生物や昆虫に対する防御物質として機能している。一方で、種子に蓄積され、イオウ欠乏によってGSLの分解が促成されることから、イオウ貯蔵機能も合わせ持っていると考えられている。
シロイヌナズナでは、特に種子でのGSL含量が多いこと、ロゼット葉と種子において各GSL比率が異なることが報告されているが、生殖成長期におけるGSL量の変化の詳細やその機能は未だ明らかにされていない。
そこで本研究では、生殖成長期のシロイヌナズナを用いて、果実の生育段階におけるGSL含有量とその化学組成の変化を解析した。開花後10日目までの果実をつけた植物体を用い、24種類のGSL含量を測定した。果実における総GSL量は開花後5日目までは増加せず、開花後6日目から増加を始めた。また、GSLの化学組成の変化については、開花後6日目から10日目にかけて、4-Methylsulfinylbutyl GSLが減少し、4-Methylthiobutyl GSLと4-Benzoyloxybutyl GSLが増加した。成熟種子のGSL組成が変化する変異株aop3について同様の測定を行い、種子のGSL含量が生育に与える影響についても解析を行なったので報告する。
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© 2011 日本植物生理学会
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