日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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キャッサバ分子育種のためのゲノム解析基盤構築
*内海 好規櫻井 哲也松井 南眞鍋 理一郎松井 章浩石田 順子田中 真帆諸澤 妙子栗山 朋子篠崎 一雄Narangajavana JarunyaTriwitayakorn KanokpornSojikul Punchapat梅村 佳美Ayling SarahTohme Joe石谷 学関 原明
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p. 0821

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抄録
キャッサバはアジアやアフリカ地域での食糧安全保障、農家の収入源としだけでなく、産業上でも活用されている重要な作物である。しかし、地球規模の環境変動によりキャッサバの安定供給が脅かされているため、耐病虫害性、高デンプン収量性、高付加価値なキャッサバ品種の作出が望まれている。これを実行するためにキャッサバの分子育種を迅速かつ効率的に行う必要がある。しかしながら、分子育種に必要なゲノム解析基盤整備は十分に行われていない。現在、理研グループはCIAT(コロンビア共和国)やマヒドール大学(タイ王国)と共同しながら、キャッサバゲノム解析基盤の構築を目指して以下の研究を推進している。6項目について研究を推進している。1)根茎の高収量品種(KU50)や耐虫性品種(ECU72とMPER417-003)由来の完全長cDNAリソースの収集、2)次世代シークエンサーを用いたEST解析、3)キャッサバデータベースの構築、4)30000以上の遺伝子を含むDNAオリゴアレイの構築、5)有用な分子マーカーの探索、6)アジア、アフリカの実用品種を用いた形質転換系の構築。最終的にこれらツールを用いてキャッサバ分子育種を推進する予定である。本研究は科学振興調整費事業『熱帯作物分子育種基盤構築による食糧保障』のサポートにより進行中である。
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© 2011 日本植物生理学会
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