抄録
本研究では、多時期RADARSAT画像を解析することによって、水稲田植日の空間分布を推定する手法開発を試みた。また、本研究で対象とした石狩川中上流域において、土壌タイプや平均気温の分布と田植日の分布が空間的に関連しているかどうかを面的に比較調査した。水稲田植日は、水田の湛水・非湛水の時系列変化を調べることによって求めた。また、水稲作付面積の推定も行い、市町別の誤差範囲は、-11.5%~+25.7%で,平方平均誤差(RMSE)は、1.5 km2であった。水稲田植日の空間分布図を作成し、土壌、気温の空間分布図と面的比較した結果、田植日の空間分布と気温の空間分布との間に明確な関連性を見出すことはできなかった。また、土壌図との比較の結果、グライ土・泥炭土が分布する地域は、その他の土壌が分布する地域に比べて、田植日が遅い傾向にあることが分かった。