日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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ヒメツリガネゴケにおける硝酸イオン輸送体遺伝子NAR2の機能解析 今井幹太、手島理、上坂一馬、今枝真二朗、辻本良真、前田真一、小俣達男 ; 名大院・生命農
*今井 幹太
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p. 0904

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抄録
植物の硝酸イオン能動輸送体(NRT)はNRT1とNRT2の2種に大別することができる。NRT2は高親和性のNRT活性で中心的な役割を果たしており、通常複数の分子種が存在していて、中には補助的なタンパク質であるNAR2を必要とするものもある。ヒメツリガネゴケは8つのNRT2分子種と3つのNAR2分子種を持っている。8つのNRT2分子種のうちNRT2;1、NRT2;2、NRT2;4は基質親和性が高く、NRT2;3はこれらに比べて基質親和性が低いことが分かっているが、NAR2についてもこのような機能分化があるかどうか、またNRT2とNAR2の対応関係も不明である。そこでNAR2の機能を解析するためNAR2;1破壊株、NAR2;2破壊株、そしてNAR2;1,NAR2;2二重破壊株を作製した。これらの変異株についてNRT2;3抗体を用いたタンパク質発現解析を行った結果、NAR2;1およびNAR2;2の単独破壊株ではNRT2;3タンパク質の発現が確認されたが、NAR2;1,NAR2;2二重破壊株ではNRT2;3タンパク質が発現していなかった。この結果はNRT2;3タンパク質の発現にはNAR2;3が関与しないことを示唆する。現在NAR2;1およびNAR2;2のさらなる機能解析とNAR2;3破壊株の作製を試みている。
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© 2011 日本植物生理学会
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