日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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シロイヌナズナの乾燥・高温ストレス誘導性遺伝子発現を制御する転写因子DREB2Aと相互作用するタンパク質の解析
*佐藤 輝溝井 順哉田中 秀典秦 峰刑部 祐里子篠崎 一雄篠崎 和子
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p. 0955

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抄録
シロイヌナズナの転写因子であるDREB2Aは、植物の熱ストレス・水ストレス応答において重要な役割を担っている。DREB2Aタンパク質は、非ストレス条件下ではユビキチン-プロテオソーム系によって分解されているが、ストレス時には安定化され、種々のストレス誘導性遺伝子を発現させることで植物の環境ストレス耐性に寄与している。また、DREB2Aタンパク質の安定化には「負の活性調節領域」が関与しており、その領域を構成する30アミノ酸を欠失した活性型DREB2A(DREB2A CA)タンパク質は、恒常的な安定性と下流遺伝子の発現誘導を示すことが知られている。一方、ストレス時におけるDREB2Aタンパク質の安定化・活性化や下流遺伝子発現機構の詳細については、未解明な部分も多く存在している。
今回、我々はDREB2Aタンパク質の翻訳後調節機構を明らかにするために、DREB2Aタンパク質をベイトとする酵母のツーハイブリッドスクリーニングを行い、転写調節因子であるNF-YCファミリー遺伝子の一つを単離した。また、シロイヌナズナの葉肉細胞由来のプロトプラストにおけるBiFC試験を行い、 植物細胞内でDREB2AとこのNF-YCタンパク質が相互作用することを確認した。現在は、この遺伝子の過剰発現体、T-DNA挿入変異体を用いて、DREB2Aタンパク質の転写活性能との関連性を解析している。
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© 2011 日本植物生理学会
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