日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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Micro-Tom苗条原基の作出
*黒澤 翔太田村 綾香原 涼日杉山 健二郎
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p. 0980

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抄録
苗条原基は、植物の茎頂ドームを光照射下で回転培養した際に生じる金平糖状の細胞集塊のことで、その増殖能や再分化能が高いことから、高等植物の大量クローン増殖やウイルスフリー苗の作出に利用されている。本研究では、近年ナス科のモデル植物として注目されているトマト品種Micro-Tomにおいて苗条原基を作出することを目的として、Micro-Tom苗条原基の誘導および再分化のための最適培養条件を検討した。20または30 g/lショ糖、0, 0.02, 0.2, 2.0または4.0 mg/l NAA、および0, 0.02, 0.2, 2.0または4.0 mg/l BAPを添加したMS液体培地を用いて、22℃、10,000 luxの光照射下で、茎頂ドームを回転培養して苗条原基の作出を試みた。その結果、苗条原基の誘導には、20 g/lショ糖、0.2 mg/l NAAおよび2.0 mg/l BAPを添加した培地が最適であった。同条件下で2~3週間毎に培地を交換して継代培養を続けることで安定的に増殖することが確認できた。また、苗条原基からの発芽には1.0 mg/l zeatinを添加したMS培地がよく、発根にはホルモン無添加の1/2MS培地でよい結果が得られた。
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© 2011 日本植物生理学会
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