日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第52回日本植物生理学会年会要旨集
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耐塩性遺伝子組換えユーカリの隔離ほ場における生物多様性影響評価
*樫村 友子于 翔小口 太一松永 悦子南藤 和也大石 正淳菊池 彰渡邉 和男
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p. 0981

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抄録
地球規模の環境問題に対する解決策の一つとして、遺伝子組換え技術により環境ストレス耐性を付与した植物の作出・実用化が試みられている。我々はこれまでに適合溶質として知られるベタインを高蓄積する土壌微生物 Arthrobacter globiformis 由来のコリンオキシダーゼ遺伝子 (codA) を導入した遺伝子組換えユーカリ (Eucalyptus globulus) を作出し、かつ、高い耐塩性を示すことを確認している。そこで、本耐塩性遺伝子組換えユーカリの屋外における実用化に向けた周辺植生や周辺土壌微生物相への影響に関する科学的評価を目的とし、2008年3月より隔離ほ場に植栽し、生育調査および生物多様性影響評価を実施している。周辺植生への影響評価としては、サンドウィッチ法、鋤込み法による葉のアレロパシー (他感作用) 活性の検定を行った。また、周辺土壌微生物相への影響評価としては、根圏付近の土壌を用いた平板培養法、土壌酵素活性測定法による土壌微生物試験を行った。これらの結果を総合し、本耐塩性遺伝子組換えユーカリの生物多様性影響について議論するとともに、遺伝子組換え植物の長期間にわたる周辺の生態系への影響について検討を加える。
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© 2011 日本植物生理学会
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