小児の精神と神経
Online ISSN : 2434-1339
Print ISSN : 0559-9040
小児・思春期の自閉症スペクトラム障害児の精神医学的併存障害
永井 幸代
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2019 年 59 巻 1 号 p. 53-81

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抄録
【目的】自閉症スペクトラム障害(Autism Spectrum Disorder : ASD)の有病率の増加が報告されてきており,ASDの併存・二次障害の研究・論文も増加している.併存障害の存在により総合的生活機能や予後が悪化することがさまざまな研究で明らかになってきており,併存障害を視野に入れた診療が重要だと思われる.【方法】医学中央雑誌,Scopus,PubMedによる1994年から2018年の文献検索により小児期・思春期のASD患者の精神医学的併存障害(精神遅滞,学習障害,発達性協調運動障害,注意欠陥多動性障害,反抗挑戦性障害・行為障害,チック障害,排泄障害,統合失調症およびその他の精神病性障害,気分障害,不安障害,性同一性障害,摂食障害,睡眠障害)の有病率を調査した.【結果】コントロール群に比してASD患者に有意に有病率が高いことが示されている疾患は,発達性協調運動障害,睡眠障害であった.ASDに併存する率が40%以上の報告が過半数を占める疾患は,発達性協調運動障害,注意欠陥多動性障害,不安障害,睡眠障害であった.【結論】ASD患者の精神医学的併存障害の存在を知り日常診療に活かすのみでなく,このような情報を家庭,学校,社会福祉現場に発信し,より有効な連携・早期介入・支援を構築することが望まれる.
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© 2019 一般社団法人日本小児精神神経学会
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