抄録
自閉スペクトラム症のある人は,表情を理解することに苦手さや特異性があるといわれている.本研究では,3歳前後の幼児期の自閉スペクトラム症が疑われる児の表情理解に関する特徴を明らかにすることを目的に,新版K式発達検査2001の表情に関する項目およびそれをもとに作成された表情課題を用いて検討した.その結果,自閉スペクトラム症が疑われる児は,一般の幼児よりも表情に関する項目の通過率が低いことや,一般的に幼児に認められる「喜び」表情の認知のしやすさが,自閉スペクトラム症が疑われる児においては認められないことが示された.