抄録
小児大脳型副腎白質ジストロフィー(CCALD)は発達障害様の高次脳機能障害をはじめとした多彩な症状で発症する.唯一の治療法は発症早期の造血幹細胞移植のみであり,早期診断が重要である.高次脳機能障害を初発とした5 ~ 7歳のCCALD12症例の診断までの経過を検討した.初発症状として多動性,衝動性,注意欠如,コミュニケーション障害,易怒性といった症状がみられた.高次脳機能障害以外の併発症状として斜視などの眼科的異常が最も多く10例に認め,9例では併発症状のうち最初に出現していた.さらに視覚性注意障害を含めると,後頭葉病変を認めた11例全例で眼科的異常を認めた.発達途上で新たに高次脳機能障害を認めた男児はCCALDも考慮し慎重な鑑別が必要であるが,眼科的異常が特に併発しやすく,発達障害診断およびフォローアップの際には注意すべきである.また,幼稚園・保育園から小学校への発達歴や行動所見のトランジションも重要である.