抄録
国際的診断基準(ICD)が改定され,知的発達症の診断には,偏差指数の算出が可能である標準化検査(ノルム化検査)による知的および適応行動機能の評価が必須となった.一方で,現在,療育手帳の判定では,非ノルム化検査がほとんどの機関で利用されている.そのため,現行のままでは,療育手帳の交付基準は知的発達症の診断基準に準拠しないため,社会的混乱が生じる可能性がある.一方で,非ノルム化検査とノルム化検査の結果が類似する場合には,現行で利用されている非ノルム化検査を引き続き利用する合理性が得られる.そこで,われわれは厚生労働科学研究の研究班として,療育手帳の交付を受ける児者らを対象として,ノルム化検査と非ノルム化検査が示す結果の関連についての検証を行った.本稿では,主要な結果について紹介し,今後の療育手帳の判定・交付のあり方を論じる.