抄録
Down症児の感覚と発達特性について検討した.当院にて「ダウン症児の赤ちゃん体操」を行い,歩行の完成を認めた33人の児の保護者に対し,「日本版感覚プロファイル(SP)」と発達特性をみる「日本語版乳幼児自閉症チェックリスト(M-CHAT)」の記入を依頼し,17人から結果を得た.SPでは低登録が「高い」以上の割合が有意に多く(p<0.001),Down症児の感覚閾値の高さと受動的行動が示唆された.感覚処理項目では,口腔感覚で41%の児が「高い」以上を示した(p=0.041).感覚探求が「高い」以上の児では歩行開始年齢が有意に高く,歩行開始年齢が遅れる傾向が明らかになった.M-CHATのスクリーニング陽性者は8人(47.1%)で,陽性者と陰性者の間で,SPの結果に有意な差はみられなかった.Down症児の療育を進めていくうえで個々の感覚特性に見合った対応を考えていく必要がある.