抄録
障害児者を社会が正しく理解することがノーマライゼーション推進のためには大切であるが,障害に関わる知識は医療従事者を志す学生の間でも不十分である.本調査では医学部生を対象に発達や障害に関する知識の実態調査を行った.医学部生1年生209名を対象にアンケート調査を行った.発達や障害に関する用語について既知・未知を問い,用語の説明を求めた.説明の記述をもとに得点化し,既報のコメディカル学生との比較および,得点に影響を及ぼす要因を解析した.医学部生の得点はコメディカル学生と比較して有意に低かった.高得点に影響を及ぼす要因として,コメディカル専攻,女性,高い年代の3点が示された.発達や障害の理解度は医学部生では低く,また誤った認識も多く認められた.将来障害や疾患のある患児・患者と直接関わることになる医学部生の社会的意識の低さが懸念され,こうした問題に対応した医学教育の工夫が望まれると考えられた.