小児の精神と神経
Online ISSN : 2434-1339
Print ISSN : 0559-9040
神経発達症に伴う睡眠障害の関連因子の検討
金子 美香
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2023 年 63 巻 3 号 p. 223-230

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抄録
言葉の遅れ,育てにくさ,多動・衝動性などの行動の問題を抱えて相談および療育・訓練目的で初診となった母子に対し,児の睡眠リズム,感覚特性,適応行動および母親の育児ストレスを評価し,睡眠障害との関連を検討した.3歳未満の睡眠障害のある児はない児に比し聴覚反応が有意に高く,3歳以上の睡眠障害のある児はない児に比し,感覚回避と視覚反応および口腔感覚反応が有意に高い結果となった.また,睡眠障害のある児はない児に比し適応行動総合点は有意に低く,母親の育児ストレスは有意に高い結果となった.このことから,年齢により睡眠障害と関連する感覚特性が異なる可能性が示唆された.また睡眠障害と適応行動獲得および育児ストレスとの関連が示唆され,療育・訓練と並行して睡眠指導と睡眠障害に対する介入も重要と考えられた.
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© 2023 一般社団法人日本小児精神神経学会
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