小児の精神と神経
Online ISSN : 2434-1339
Print ISSN : 0559-9040
心的外傷後ストレス障害と神経発達症の合併例に対して,児童精神科病棟入院によるTF-CBTが有効であった1症例
吉岡 靖史⼋⽊ 淳⼦⼭家 健仁内出 希柿坂 佳菜恵
著者情報
ジャーナル 認証あり

2025 年 64 巻 4 号 p. 355-366

詳細
抄録
わが国では外来診療の場においてトラウマフォーカスト認知行動療法(Trauma-Focused Cognitive Behavioral Therapy: TF-CBT)の実践例が増えているが,入院でのTFCBT実施例の報告は極めて少ない.そこで,心的外傷後ストレス障害と神経発達症の合併例に対し,児童精神科病棟の入院によるTF-CBTを実施し有効であった症例を報告する.症例は12歳男児で幼少期にトラウマ体験があり,問題行動が頻発するため入院となった.TF-CBTを実施しトラウマ症状は改善し問題行動も軽減した.入院治療にてTF-CBTを実施する利点は安全・安心を確保できること,トラウマ症状の即時フィードバックができること,学んだ対処スキルを確実に習得できること,病棟スタッフとの連携による生活支援ができることがあげられ,難点は親のペアレンティングスキルの実践の機会が不十分となることが考えられた.
著者関連情報
© 2025 一般社団法人日本小児精神神経学会
前の記事 次の記事
feedback
Top