抄録
【目的】極低出生体重(VLBW)児の認知特性を自閉スペクトラム症(ASD)児と同様の理論(他者視点取得・葛藤抑制)で説明できるかどうか検討した.【方法】発達年齢が3歳のVLBW群14名,ASD群7名,対照群(出生体重が1,500g以上の児および発達の問題以外の主訴でK式を施行した児)20名に,他者視点取得課題,カテゴリー分け(DCCS)課題を実施し,各群間で比較検討した.【結果】視点取得課題に正答した率はASD群が有意に低く,VLBW群と対照群に有意差は認められなかった.DCCS課題にすべて正答した率はVLBW群が有意に低く,すべて誤答した率はASD群が有意に高かった.【考察】対照群と比較して,VLBW児は他者視点取得の発達は遅れないが,葛藤抑制の発達が遅れるといった,どちらの発達も遅れるASD児との相違点がみられた.VLBW児には,SSTや注意が途切れにくいような声かけ等の支援が有効であろう.