本研究は幼稚園の年中児と年長児を比較し,日本語版感覚プロファイル(以下,SP)の4象限(低登録・感覚探求・感覚過敏・感覚回避)における学年による感覚特性の違いについて検討した.対象はA幼稚園とB幼稚園の2022年度の年中児90名と2019年度の年長児143名とし,調査方法は,保護者が記入したSPから非常に高い値を示した児の割合と4象限における感覚処理能力の「非常に高い」・「高い」・「平均的」を年中児と年長児で比較した.その結果,4象限に非常に高い値を示した児は,低登録は年中児11.1%/年長児7.7%,感覚探求は年中児10.0%/年長児4.9%,感覚過敏は年中児14.4%/年長児2.1%,感覚回避は年中児5.6%/年長児5.6%であった.これらの結果から感覚処理能力においては,低登録の「平均的」は年長児に有意に多く,感覚過敏の「非常に高い」は年中児に有意に多かった.本研究結果から年中児・年長児とも感覚の問題をもつ児は一定数存在し,感覚過敏は低年齢で発現しやすい可能性が示唆された.