2020 年 36 巻 1 号 p. 18-23
小児には,成人には発生しない様々な小児がんが発生する.しかしその発生率は成人悪性腫瘍に比して極めて低く,小児がん独自の治療法を研究開発する必要があり,そのために日本小児がん治療研究グループ(JCCG)が結成された.小児がんの発生頻度が極端に低いため,一般病院の放射線科医が小児がんの診断,治療に精通することは困難と考えられ,JCCGでは中央画像診断システムを導入し小児がんの診断に精通した複数の放射線科医がインターネット上で画像を閲覧して診断レポートを作成する試みが開始されている.
小児がんの診断・治療の種々の段階において,放射線科は重要な役割を担っている.放射線科医は,小児がんの治療全過程において,ポイントごとに小児科医,外科医のニーズに合った検査計画を立て,実行することが期待される.そのためには,治療を担当する小児科,小児外科や病理など,多職種による検討会を定期的に開催し,情報を共有することが極めて重要である.