日本小児放射線学会雑誌
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特集 リンパ管造影のトピックス
ICGリンパ管蛍光造影検査
加藤 基
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2021 年 37 巻 2 号 p. 127-133

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抄録

インドシアニングリーンを用いたリンパ管蛍光造影法は,リンパ液の皮膚逆流所見を詳細に評価できるほか,高い解像度と再現性ゆえリンパ管の走行位置の同定にも有効である.被ばくの心配がなく,副作用としてのアレルギー反応も頻度が極めて低く,小児患者においても安全に施行できるという利点がある.実際にリンパ浮腫の治療法としてリンパ管静脈吻合術が一般化するに従って,臨床現場で広く使用されるようになってきた.さらに適応は広がり,リンパ浮腫以外のリンパ管疾患に対しても応用されるようになったことで,個々の症例におけるリンパ流が詳しく評価できるようになってきた.ますます発展するリンパ管疾患の診断・治療において重要な役割を担う本法の実際について概要を解説する.

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© 2021 日本小児放射線学会
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