2023 年 39 巻 2 号 p. 54-61
小児の上気道狭窄を疑った場合,画像検査の第一選択は上気道側面X線検査である.この検査は簡便に行えるものの撮影条件によっては有用な所見が得られない場合がある.上気道は内腔が変化しやすいため,ダイナミックな評価である喉頭内視鏡検査が診断に有用である.内視鏡検査は実施者に習練が必要であり行える施設は限られるが,麻酔なしで検査でき,CTやMRIよりも簡便に行えるという利点がある.
今回は小児における上気道狭窄の診断において上気道側面X線と喉頭内視鏡を比較し,その役割の違いや特徴について概説する.また,各疾患において両検査の診断率を比較検討した結果を述べる.