2025 年 41 巻 2 号 p. 133-140
先天性食道閉鎖症では胎児期に胃泡の消失,羊水過多に加えて上部食道が描出されるpouch signが特徴的である.出生後はレントゲンで腹部にエアを認めるか否かによりA型とC型を鑑別する.先天性腸閉鎖症ではdouble bubble signやtriple bubble signが典型的な画像所見で,臍帯潰瘍を合併すると子宮内死亡の原因となるが,出生前の画像診断は困難で課題である.ヒルシュスプルング病は出生後の臨床症状に加え,注腸造影での口径差確認が診断や病変範囲の把握に有用である.鎖肛では胎児期にtarget signが描出されるかが診断上重要で,出生後は造影検査で病型を決定し,さらに術前MRIで括約筋群を評価して理想的な手術デザインを行う.壊死性腸炎は超低出生体重児に多い重篤な疾患で,進行すると腸管壊死や敗血症を伴い致死率も高く,画像上は腸管壁内ガスや門脈内ガスの確認が診断の鍵となる.