2026 年 42 巻 1 号 p. 29-37
小児における内視鏡的逆行性胆管膵管造影(endoscopic retrograde cholangiopancreatography; ERCP)は,その手技,小児の体格に合うスコープの問題,全身麻酔を要するなど制約が多い.近年,画像検査装置の機能向上により,より精細な肝胆道・膵管の画像が得られるようになり,小児ERCPの施行頻度は少なくなった.一方,体格の小さな小児では,得られた画像で診断に迷うことがあるのも事実である.成人領域では,ERCP処置具の開発が進むとともに,重症急性膵炎後walled-off necrosisに対する内視鏡的治療も行われるようになった.処置具に関しては,小児領域での応用が可能であり,小児におけるERCPは,単に診断するだけではなく,各種疾患,外傷にも応用可能と考えられる.本稿では,小児肝胆道・膵疾患や主膵管損傷におけるERCPによる診断とその治療について述べる.