神経細胞移動異常症は,大脳皮質層構造の乱れと異所性灰白質の出現を特徴とする.LIS1(PAFAH1B1),DCXの同定は,無脳回・厚脳回・帯状異所性灰白質が連続体であることを明らかにした.介在ニューロンの発生に関与するARXは,機能喪失では滑脳症/脳梁欠損症を,機能獲得のポリアラニン配列伸長変異では,伸長数に比例し,てんかん発作や知的障害,運動障害の発症早期化・重篤化をきたし,介在ニューロン病と呼称される.微小管の異常をきたすチューブリン病は,内包前脚不明瞭化を特徴とする.チャネル異常が多小脳回で同定され,構造異常と機能異常の関連性が分子レベルで明らかにされつつある.mTOR活性化が限局性皮質異形成や巨脳症関連疾患をきたす一方,mTOR活性低下は滑脳症(厚脳回)をきたす.神経細胞移動異常症のような脳形成異常にも,てんかん発作や知的障害などの機能異常については,分子標的治療の糸口が見えてきている.