写真測量
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接続標定法に基づく1対の2層写真の解析的標定法およびその実験的検討
岡本 厚桑波田 信一
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1973 年 12 巻 2 号 p. 17-25

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抄録

この論文では, 屈折面が平面および曲面の場合の1対の2層写真の解析的標定法が提案され, その実験的検討の結果が示されている。標定法としては, それを相互標定と対地標定の2毅階に分けるモデル法が使用され, その相互標定法では接続標定法の理論が採用されている。この場合相互標定の未知数は右側写真の5個の外部標定要素とモデル座標系で屈折面を規定する要素となり, もし屈折面が平面の場合は相互標定要素の数は8個となる。対地標定は通常のように空間のヘルマート変換を用いて行なわれる。
提案された方法は2種類の実験モデルを使って検証され, 2層写真測量の標定問題におけるモデル法の新しい特性が見い出されたが, そのうち重要なものは相互標定では未知数をどのように選ぶかによって方法の精度がかなり異なってくることである。本研究では接続標定法の理論に基づく1対の2層写真の相互標定法が独立モデル法によるものよりもよい精度を持っていることが確かめられた。またモデル法自体の精度は標定点の配置選択, 使用カメラの内部標定要素の誤差, 写真座標の誤差等によって大きく異なり, 場合によってはモデル法を使用して1対の2層写真の解析的標定が行なえないことがあるが, そのような場合特に効果のある1対の2層写真の近似標定法が本論文で紹介されている。

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© 社団法人 日本写真測量学会
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