2024 年 5 巻 3 号 p. 206-211
包括的高度慢性下肢虚血の救肢には, 血行再建と創部治療を主体とした集学的治療が必要である. 下肢創傷を伴う場合は血行再建後も治癒までに時間を要する. 再狭窄を起こすと, 創傷の悪化から感染や下肢切断のリスクが高くなる. 下肢切断を回避して創傷を治癒するためには, 日々のフットケアに加えて定期的な血流評価と局所の処置および必要に応じた血行再建を行う必要がある. しかしながら単一施設で創傷治癒に至るまでの治療を行うことは難しく, 退院後は近隣の医療機関や訪問看護ステーションとの連携が重要となる. 当院では, 透析病院・訪問看護ステーションといった地域の医療機関や施設と患者の情報を共有し, 統一した方法でフットケアを提供できるよう「フットケア地域連携パス」を作成し運用を開始した. 連携パスによってフットケア方法の統一だけではなく, 患者のセルフケア能力の向上, 病変の早期発見などの成果も得られたことにより下肢切断を回避することができた症例を経験した. 症例を振り返りフットケア地域連携パス運用の効果について報告する.