写真測量
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北松型地すべりの写真判読とその問題点について
黒田 和男岡 重文
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1967 年 6 巻 2 号 p. 45-56

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抄録

九州北西部の北松浦半島には, 多数の地すべり地形がみられる。筆者はこの地域の地すべり地形を空中写真から摘出し, とくに地すべり地形と地質構造・崖錐層の分布等の関連を考察してみた。地域内には, 大規模地すべりの痕跡と思われる特有の地形が, 第三系の構造と地形との関係からみた場合のケスタの流れ盤のうえにあるという事をもとに, このような地形を作る要素は第三系の岩質にあると予想した。特有の地形が形成されていく状況は, 現在も地すべり現象の中に観察できる。ケスタの受け盤上の地すべりと緩斜面との関連性も, 空中写真上に実際に観察された地すべりをもとに考察した。
なお, 地すべりの要因を第三系の岩質にあるとした揚合, 地すべり粘土が形成される過程にも若干触れてみた。

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© 社団法人 日本写真測量学会
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