写真測量とリモートセンシング
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画像相関を使った空中写真からの等高線自動図化の一方法―偏位修正と標高ファイルの作成
森 忠次服部 進内田 修田辺 広志
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1982 年 21 巻 2 号 p. 4-14

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抄録

この論文では, ドラム走査型微少濃度計と汎用計算機を使ったオフライン処理で, 実体空中写真から標高ファイルを自動的に作成し, 等高線を描画する1つの方法を述べた。画像相関による対応点探索がその眼目であり, 説明は実験に則して記述した。実験の概要と得られた結果を順に示すと,
(1) 対応点の探索を1次元的に行なえるようにするため, 実体空中写真のディジタル画像を偏位修正し, 縦視差のない画像を作成した。画素の内挿にはバイリニア法を用いた。
(2) 地上座標系に設定した格子の格子点標高を順次求めて標高ファイルを作製し, これから等高線を描画した。格子点標高を求めるには, 標高の近似値を予測して与え, これに対応する写真点対を求める。そして左写真点を固定して, の点に対する右写真上の対応点を探索する。求まった写真点対に対する地上点は, 正しい格子点ではないが充分の精度で近似できる。画像上の対応点探索には, 有限パッチの相互相関係数を用いたが, 実際にはこれにいくつかの試行錯誤的な改良が必要であった。重要な点としては,
(a) 地形の起伏が画像に投影歪を起こして相関を弱めるが, パッチ中央部の濃度値パターンを強調するよう重みをつけることで改善した。
(b) 適切な探索窓を規定するためには, 近似標高の予測法が問題になったが, すでに測定されている近傍の2点の標高の平均値を使ったときほぼ正しい探索ができた。

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© 社団法人 日本写真測量学会
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