抄録
通常, 最尤法による土地被覆分類においては, 各土地被覆カテゴリーの事前確率は等確率であるという仮定が便宜的に用いられている。しかし, 等確率の事前確率を仮定するよりも重み付きの事前確率を仮定する方が, 高い分類精度が得られるという報告がある。
そこで, 本研究では, 混合画素データのカテゴリー分解の考えを解析対象領域全体の分光ベクトルの平均値と分散に応用し, 解析対象領域内の各土地被覆カテゴリーの事前確率 (面積率) の推定を試みた。そして, その推定された事前確率をベイズの土地被覆分類法に導入し, 土地被覆分類精度向上を確認した。