長い冬の間雪に覆われる北方林で, 森林変化を有効に監視するために, 積雪期画像による森林変化の抽出を試みた。対象地はロシア極東のハバロフスク近郊で, 1980年から99年まで, 5シーンのランドサット画像を用い, それらから得られる指標を連続する2時期のシーンで比較して変化抽出を行った。検討した指標は, 可視 (赤) , 近赤外, 中間赤外の各バンド, NDVI, NDSI (積雪指標) , Tasseled CapのBrightness, Greenness, Wetness, 斎藤と山崎のV2とS3である。その結果, 比演算による指標は積雪期には不安定なこと, そうでない画像は夏の画像よりも長く変化したことを表しつづけること, 特に可視バンドとWetnessが森林変化抽出に優れていること, そして夏期のWetnessは抽出された変化の後の遷移を表すのに適していることが明らかになった。冬期の可視バンドおよびWetnessによりそれぞれ変化抽出を行ったところ, 精度は66%-100%であった。