抄録
PALSARのフル偏波モードデータが, 森林バイオマスの推定には非常に有望である。このため, ポーラリメトリックSARデータの振幅と位相の両方の情報が必要となり, これらの校正が求められている。従って, 本論文は位相校正に重点を置く。またKleinアルゴリズムの仮定条件を満たす為のピクセル抽出手法を開発することにより, Kleinアルゴリズムを草地など一般的な校正サイトにも適用できるように拡張した。さらに伝達経路上の歪であるファラディ回転はアンテナ起因の歪と見做し, SARシステムノイズの一部として補正される。最後にJPL/AIRSAR Lバンドのフル偏波モードデータ1フレームを利用して, 校正手法を評価した結果, 予め牧草地に設置された2台の三面コーナーリフレクタから校正方法の妥当性が確認された。