抄録
始原的な固体惑星物質に大量に含まれる有機物の形成過程、特に、低温ガス空間で起こった初期素過程について考察を行う。それを読み解く鍵として炭素および窒素同位体組成に注目する。最近太陽の持つ炭素・窒素の同位体組成が明らかになりつつある。現在の太陽のこれら元素の同位体組成は原始太陽、あるいは太陽系星雲ガスと同じであると考えられる。その結果によると隕石有機物の炭素・窒素は太陽組成に比べてそれぞれ10%ないしは24%以上重たい同位体に富んでいることが明らかになった。これは有機物形成過程において13Cおよび15Nを凝縮(有機物)相に濃縮させる過程が卓越したことを物語っている。講演では(1)考察の基本となる太陽型同位体比組成がどのようにして求まったかを簡単に紹介した後、(2)有機炭素・窒素合成過程についての考察を進める予定。