主催: 日本惑星科学会2004年秋季年会実行委員会
天体衝突地点では膨大な衝突エネルギーが解放され,衝突天体と惑星表面の一部が蒸気化した高温・高圧のガス(衝突蒸気雲)が生成されると考えられている.そしてこの蒸気雲の膨張とともに惑星大気が加速され散逸する可能性が過去の研究により指摘されている.本研究ではこの天体衝突による大気散逸の効果を評価するため,密度成層大気中での蒸気雲膨張の流体計算を行った.その結果,比較的大きな衝突では大気密度が減少する鉛直方向だけでなく蒸気雲の水平方向にある大気も加速され,従来の研究で予想されていたよりも多くの大気が散逸することがわかった.発表ではその結果とさらに大気散逸量とパラメータとの関係について議論する予定である.