抄録
過去に行った模擬凍土層へのクレーター形成の実験的研究結果として、質量岩石含有率50%までは岩石含有率の増加とともに形成されるクレーターの体積が小さくなることが示されている。二次クレーターは、衝突速度が低速でかつ衝突物も小さいために小規模となり、ターゲットの強度が支配的な衝突過程である。そこで、室内実験の結果が適応できると考えられる。本研究では、Mars Odysseyによる熱外中性子の輻射の観測によって得られた火星表面の水氷の分布と、火星二次クレーターのサイズ頻度分布が調和的であるかどうかを調べ、二次クレーターのサイズ頻度分布が水氷の分布の指標となるかを議論する。