抄録
レゴリスの熱物性は、月や小惑星のような高真空の環境下において、ほぼ温度と空隙率の二つの状態によって支配されているとみなすことが出来る。レゴリスの粒径が一定であると仮定し、月レゴリスの熱モデルを作り、表面温度の時間依存性と深さ方向の温度プロファイルを計算した。その結果、この輻射の寄与を取り入れた場合、深さ数cmでの温度が約250 Kから最大で300 Kまで変化する可能性があることがわかった。本研究ではレーダー観測による表面温度の測定結果が、どのようなレゴリスの状態を反映しているものかを議論する。