抄録
原始惑星系円盤の温度構造は、円盤内ダストによる中心星からの放射の吸収、再放射により決定される。従って、円盤構造ひいては円盤内惑星形成は、円盤内ダストの性質に依存する。本研究では、円盤内ダストの形状が円盤の温度構造、SEDに及ぼす影響を調べた。その結果、ダストサイズが 3μmのとき、不規則形状ダストから成る円盤は球形ダストの場合に比べ、特に円盤上層部でより高温となった。これに伴い、前者の放射フラックスは後者のものより強い値が得られた。これは、不規則形状ダストは中心星からの放射をより効率的に吸収する為である。