抄録
水星は月と同様、非常に希薄な大気を有し、大気は惑星表面・磁気圏との相互作用により保持されている。観測が困難であるためにその詳細はよく知られていないが、大気を構成する一成分であるNaは明るい発光を示すため、地上観測により大気分布形状等の研究が進んでいる。本研究では、このNa大気の特に反太陽側に広域に渡って分布する成分(ナトリウムテール)に着目し、Na原子の分布について数値計算を行なっている。計算値と観測値(Potter et al.,2002)を比較することで、大気を構成するNa原子の惑星表面からの放出機構、即ち、Na原子の起源を量的に考察する。