埼玉理学療法
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研究と報告
特別養護老人ホーム入所者の機能の経時変化とリハビリテーション介入の効果
清宮 清美東保 薫里宇 明元
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2005 年 12 巻 1 号 p. 20-23

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抄録

特別養護老人ホームには,常勤の医師やリハビリテーション(以下リハビリ)職員の配置が義務付けられていない。利用者は慢性期の重度高齢障害者が多く,積極的なリハビリ訓練は行われていないのが現状である。埼玉県では県立特別養護老人ホームにおいてリハビリ専門医による出張リハビリ診察と理学療法士・作業療法士の常勤配置で機能訓練の充実を図った。開設より6年間の利用者の変化を調査し,リハビリ的介入内容とあわせてその有効性について検討した。利用者の筋力,関節可動域,知的機能などの機能障害には大きな変化は認めなかったが,基本動作や日常生活自立度では機能維持・向上が認められた。今後,個々の利用者の状態を的確に把握して,必要なサービスを提供することの必要性はますます高くなっているといえる。特別養護老人ホームにおいても焦点を絞った適切なリハビリ介入が有効である可能性が示唆され,今後の利用者の要介護状態の改善および増悪予防のためのプログラムを検討していく必要がある。

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© 2005 社団法人 埼玉県理学療法士会
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