主催: (一社)日本予防理学療法学会、(一社)日本理学療法学会連合, 第58回 日本理学療法学術大会
共催: 第6回 日本産業理学療法研究会学術大会
会議名: 第10回 日本予防理学療法学会学術大会
回次: 1
開催地: 函館市民会館・函館アリーナ(函館市)
開催日: 2023/10/28 - 2023/10/29
【目的】
本研究は、静岡県賀茂圏域1市5町の地域リハ事業担当者とリハビリ専門職にアンケートを実施し、賀茂圏域における地域リハ事業の現状と課題を整理することを目的とした。
【方法】
各市町地域リハ事業担当者とリハビリ専門職に対しアンケートを実施した 1. 市町へのアンケート:地域リハビリテーション活動支援事業 ・その他の事業についての事業内容と実施回数について 2. リハビリ専門職へのアンケート:所属する病院・施設に勤務するリハビリ専門職の職種別人数と地域リハビリテーション事業への協力について 以上のアンケートは、電話・Fax・メール・QRコードを用いて実施した (回収率100%)
【結果】
1. 賀茂圏域の地域リハ事業は合計で408回 (東伊豆町29回、河津町2回、下田市8回、南伊豆町76回、松崎町6回、西伊豆町 287回)実施されていた。市町によって地域リハ事業に対する方針・予算・担当者の意欲などが異なっていた。リハビリ専門職と連携できている市町 (東伊豆町・南伊豆町)は、事業にも多く活用していた。西伊豆町は地域おこし協力隊による理学療法士 1名を活用し、多くの事業を実施していた。 2. 賀茂圏域の病院・施設に勤務するリハビリ専門職は142名 ( 東伊豆町73名、河津町15名、下田市25名、南伊豆町14名、松崎町1名、西伊豆町14名)であった。市町によってリハビリ専門職数は大きく異なるが、市町にいるリハビリ専門職数よりも、協力できるリハビリ専門職数により市町の事業は決まっていた。松崎町は、町内にリハビリ専門職が1名しかいないため、地域リハ事業計画が少なく、他圏域の病院・施設にも派遣依頼をしていた。地域リハ事業へ協力しているリハビリ専門職は、病院 ・施設・個人がほぼ固定であり、新たに協力してもらえるリハビリ専門職は少なかった。地域リハ事業への協力は理学療法士が圧倒的に多く、言語聴覚士への依頼は近年増加したが、作業療法士の活用はほとんどなかった。また、リハビリテーション専門医がいない地域のためか、医師の協力はほとんど得られていなかった。
【考察】
賀茂圏域は市町の意識がバラバラ、医師・リハビリ専門職の協力も得られにくく、地域リハ事業を実施するには厳しい地域である。各市町で必要なものや使えるもの・人を分析し、他市町と情報や資源を共有し事業を実施することが必要と思われる。
【倫理的配慮】
発表に関して熱川温泉病院倫理委員会の承認を得た (承認番号: 23005)