日本予防理学療法学会 学術大会プログラム・抄録集
Online ISSN : 2758-7983
第10回 日本予防理学療法学会学術大会
セッションID: YP-10-5
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予防ポスター10(ヘルスプロモーション)
軽負荷全身運動デバイスおよび歩行機能増進特化型トレーニング(walkey®)の開発
鹿子 泰宏得原 藍渡辺 達哉清水 こなあ
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抄録

概要: 超高齢化社会が進む我が国では,二十一世紀における国民健康づくり運動の目標項目の中に健康寿命の延伸を上げており,本年 (2023年)にはその最終評価が実施される。また,2024 (令和6)年度から実施予定の次期国民健康づくり運動プランの検討も開始されており,健康寿命延伸を目指す上で運動は非常に重要な政策課題の一つである。我々の身体機能や体力は,おおよそ20歳代をピークに加齢とともに低下し,ピーク時の約3割とも言われている日常生活活動不全閾値を下回ると,継続的な医療・介護が必要となる事が知られており,積極的に運動を実施している場合には、老化に伴う身体機能や体力の低下率は緩やかで,不健康な期間が短縮して健康寿命が延伸することが期待できるとされている。 体力維持・健康増進という側面から,多様な年代,健康状態に適用可能な運動について考えると,安全性を鑑みて低負荷な全身運動が好ましく,低負荷かつ関節可動域を大きく使った運動がロコモティブシンドローム対策に向けた指導に多く採用されている。また,こうした低負荷全身運動の実施による体力の維持と向上は,高齢者の QOLを向上するとも考えられ,特に自立歩行距離はQOLとの相関が認められる報告されており,自立歩行距離に影響する要因としては歩幅の減少,遊脚期の膝関節角度や足節角度の減少,遊脚時の足底クリアランスのばらつきの増加等が挙げられ,それらを改善することが超高齢化社会の運動処方の目的であると考えられる。 そこで我々は,運動習慣の有無や年齢に関係なく幅広く活用できる歩行運動機能増進特化型トレーニングデバイス (walkey©)およびそれを用いた運動プログラムとトレーニング継続をサポートするアプリケーションを開発し,その効果検証を行った。本発表ではその第一報として,walkey©を用いた運動プログラムの代表的なメニューについて,表面筋電図測定(EMG)による筋活動量の計測,モーションキャプチャシステム (Movella社 :Xsens)による動作解析・深部筋の筋活動シミュレーションをもとにした活動筋群及び最大筋活動量の推定,さらに最大酸素消費量および運動中の心拍変動について測定 (KORR社: CardioCoach)を行った結果を報告する。また,既存の代表的なトレーニング用具であるセラバンド©について注目し,同様の運動プログラムについてwalkey©との比較を行ったので,その結果の差異についても報告する。

【倫理的配慮】

倫理的配慮・説明と同意: 本研究はヘルシンキ宣言を遵守し,本研究参加者には,参加は自由意志で拒否による不利益はないこと,研究目的及び,個人情報の保護について文書と口頭で説明を行い,書面にて同意を得た上で実施した。

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