日本予防理学療法学会 学術大会プログラム・抄録集
Online ISSN : 2758-7983
第11回 日本予防理学療法学会学術大会
セッションID: P - 16
会議情報

ポスター 15
腰痛予防の取り組み 廃棄物関連施設の職員に対して 第6報 副題:過去10年間の活動と比較して
*大田 幸作磯 あすか田舎中 真由美津田 泰志
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

【はじめに、目的】

我々は、2013年から11年間、自治体環境局のごみ収集作業職員に対する腰痛予防講習会(以下、講習会)を実施してきた。2023年度のアンケート調査の結果を、過去の動向に対比させながら紹介する。

【方法】

2023年度の講習会は、合計7施設 (7回)、合計371名 に対して30分または60分の講習会を実施、講習会後にアンケートを配布して自治体担当者が回収した。質問内容は、過去同様に1「講習会の内容について」、2「教わったストレッチ体操などを継続的に実施できるか」、3「実施している頻度について」、新たに、4「参加して何か変化があったか」、5「どのような変化があったか」を追加した。参加者の感想を収集分析し、過去の動向と比較した。

【結果】

アンケート回収率は100%であった。質問1は、「参考になった」が約54%、「分かりやすかった」が約25%、「面白かった」が約17%、質問2は「継続的に実践するつもり」が約82%、「フォローがあれば継続できる」が約5%であった。質問3は「毎日」は約20%、月数回となると約49%であった。質問5は「変化があった」が約31%、質問6の「どのような変化があったか」は、「腰痛の知識が増えた」が約62%、実際に痛みが軽減、体が動きやすくなって、以前よりも仕事がしやすくなったが、合計で約29%であった。また「腰痛のため休む日数が減った」が、約5%であった。

【考察】

講習会の内容については、ポジティブな回答が約9割 と講習会実施に対する受け入れは良好と考えた。また継続的な実施についても9割が継続の意思を表した。このような結果は、過去の割合とほぼ同等であり、継続の重要性が考えられた。また実施頻度に関しては、月数回以上が約5割と過去の結果とほとんど同様であった。年数回の腰痛予防講習会において大多数の職員が腰痛予防を好意的にとらえ、予防意識を高く維持できたことは有用と考える。自身の変化に関しては、約3割の良好な変化のうち約1割が実際の作業効率の改善を感じていたおり、病欠の割合も減少したことは、健康生産性およびプレゼンティ―ズムの改善に貢献したと考える。

【倫理的配慮】

個人ならび自治体が特定できないよう配慮し、学会発表の目的や方法について管轄する自治体に説明し同意を書面にて得ることとした。

著者関連情報
© 2025 日本予防理学療法学会
前の記事 次の記事
feedback
Top